ヾノ*>ㅅ<)ノシ帳

ノンジャンルのふりーだむなブログです。

東京国立博物館の「名作誕生-つながる日本美術」 を観覧したぞい

4月29日(日)午前、上野公園の北側に位置する東京国立博物館の平成館で開催されていた特別展「名作誕生-つながる日本美術」 を観覧しました。 ゴールデンウィーク中なので激混みするかと思いましたが、「特別展」のチケット売り場は空いてましたし、館内は一作品に5人集まっているくらいの混み方だったので2時間半かけてじっくり見られました。

meisaku2018.jp

明治以前の日本美術とそれに影響を与えた東洋美術が展示されていました。 特別展は「つながる」をテーマとしており、観覧者の感性をもって作品を理解するというよりは、作品間の有機的な関係性を紐解くことに重きを置かれていました。

諸費用は以下の通りです。

品目 料金
特別展観覧料(当日券;一般) 1600円
音声ガイド 550円

音声ガイドは、ナビゲーターを壇蜜さん、作品解説を櫻井孝宏さんが務めていました。 櫻井さんの声はイケメンですな~。声を持ち帰られると嬉しかったのですが、まぁしゃあなしです。

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以下、個人的に気になった作品の感想を綴ります。


聖徳太子絵伝(No. 23)

デジタルアーカイブ聖徳太子絵伝 - e国宝

聖徳太子の事績を大きな絵にまとめた形式をとっています。 平安時代の作品のようで、全体的に退色しており、正直よく分からんという感想です。 ただ、朱色で彩色された箇所は今も鮮やかに残っていたのが印象的でした1

扇面散屏風(せんめんちらしびょうぶ;No.52) 俵屋宗達

デジタルアーカイブE0032029 扇面散屏風 - 東京国立博物館 画像検索

初めて見たとき、屏風にわざわざ扇の図柄を貼ったのか?意味分からん、となりました。 意匠を凝らした扇面を屏風にコレクションする意図なら分からんでもないぞという感想です。 当時の人々にとっての屏風の立ち位置が分かるともっと面白い作品として見れたかも… (ワインのエチケット(ラベル)をきれいに剥がしてコレクションされることはあるので、これはそれに近い感覚なのかしらん?)

八橋蒔絵螺鈿硯箱(No. 72) 尾形光琳

デジタルアーカイブ八橋蒔絵螺鈿硯箱 - e国宝

伊勢物語』の八橋を、図式化した硯箱らしい2。 橋を銀と鉛で、かきつばたを貝殻で表し、景色には人影がないという、伊勢物語コーナーの中では異彩を放つ作品でした。 言ってみれば伊勢物語に対する二次創作作品であり、ネタ元を気品高くコラージュで表しているところが面白いと思いました。

夕顔蒔絵手箱(No. 80) 

図: 特別展『名作誕生-つながる日本美術』(東京国立博物館で開催) | みどころ

御簾が下りた牛車がぽつんと置かれいて、光源氏や夕顔の姿もない…、これも説明無しには理解不能の類でした。 『源氏物語』の夕顔から切り出したシーンのようです。 これを見たインテリ集団(貴族)は、ここからはじまる二人の物語に顔をほころばせたんやろなぁ。

紫式部日記絵巻(No. 113)、梓弓図(No. 114)

前者は、紫式部日記の一シーン。道長が浮気の謝罪で紫式部の元に行ったが、相手にされず簾の前に立ち尽くしているものでした。 後者は、伊勢物語の一シーン。昔の女を訪ねた男が門を叩いて女が出てくるのを期待するが、女には新しい男がいたそうな。 前者、後者とも、構図は「左に女、左下から右上に突っ切る仕切り、右に男」と共通しており、 2つの挿絵が並べ、2人はうまくいってないということを言わしめるものとなっていました。 めっちゃメタですな。私は音声ガイド無しにはこのメタを気づけませんでした。

見返り美人図(No. 124) 菱川師宣

図:

菱川師宣 - Wikipedia

中学の歴史の教科書にも載っている絵ですな。 音声ガイドで初めて気づいたのですが、 よく見ると、左手は袖を通さず3、 袖の菊と桜の文様、吉弥結び(きちやむすび)の帯、玉結びの髪型を見せたいがための、今にも倒れそうなポーズ ですね。 横顔はお世辞にもきれいとは言えないですが、後ろ姿だけで声をかけたくなる活かした女性を描きたかったのでしょうか。


以下、全体の感想。

外が暑いと油断して薄着で来館したのですが、後半寒いのを我慢して観覧していました。羽織られるものを持参したほうがよさそうです。周りの人が、羽織るものをバッグに忍ばせいていて、やりおるなと思いました。

展示物の案内文に自分が普段使わないような単語が飛び交っていて困惑しました。「事績」とか「優作」とか。くぅ~

中学レベルの日本史の知識と古典の知識が多少ながらあると、本展示が楽しめそうです。


  1. 朱色で彩色された人物の線が後から加筆しているように見えたのは一体…?

  2. 伊勢物語』は「かきつばた」しか知らぬ。

  3. 帯の近くに袖口が垂れ下がっています。